戸津井鍾乳洞はディープな地だった。

博物館

国内46都道府県の旅をしています。
この記事はその旅の記録ですが、どなたかの参考になると幸いです。
2024年4月29日に戸津井鍾乳洞に行ってきましたのでその紹介と所感です。

入洞!

鍾乳洞のあるところまで車で上っていくのですが、その道が急こう配&とっても狭い! 脱輪しないかびくびくしながら入っていきました。
どうか対向車が来ませんように…(来ませんでした)
数台が停められる砂利敷きの駐車場に車を停めると、その横に小さな資料館と鍾乳洞への受付があります。
入場料が別々なので鍾乳洞だけ見ることも可能です。

鍾乳洞

大人400円の入場料を支払って鍾乳洞に入ります。
入り口は下り階段になっています。中はひんやりとしており、この日は雨も降っていたので少し肌寒いくらいでした。
案内板があり、この鍾乳洞の歴史が簡単に説明されています。100メートルほどの小さな鍾乳洞です。

なんでこういうところって緑のライトアップなんだべ…

順路に沿って回っていくと、見どころらしき場所にはプレートが付いています。
自然にできた洞窟なので狭い隙間やかがまないとくぐれないところもちらほら。
ご家族連れでいらっしゃってたお子さんが何度か頭をぶつけてました。背丈によって危ないポイントが違うのもでこぼこの自然洞窟ならではでしょうか…。
私ももちろんぶつけました。そりゃあ。

狭い中で場所によって高さの違う岩が突き出てます。気を付けて…
波打ち模様の鍾乳石の壁

一番奥まで行くと玉石と書かれた石が安置されています。
2億5千万年前の戸津井鍾乳洞の石灰岩を磨いたものらしいです。途方もない。
石灰岩ということはこのあたりにある鍾乳石と同じ材質のはず…
色などの違いは含有物の違いかしら…

玉石。内側には灰色の結晶も見える。

戸津井鍾乳洞では、わかりやすいいわゆるつらら石や石筍は見ることはできません。
一部針天井の間と名付けられた場所に小さなつらら石の赤ちゃんを見ることができるくらいです。
(めちゃめちゃ低い位置にあります。頭をぶつけないように見上げるのが大変…!)
しかしそれもこの鍾乳洞の歴史を知ると納得します(後述)。

針天井の間、めちゃめちゃ低い。小さな水滴型のつらら石がたくさん。

鍾乳洞らしいひだのある岩面や上に広がる空洞などは見れますので、鍾乳洞らしいところは体感できるかと思います。

ひだひだひだひだ。
見上げると高く広がる空洞。

資料館

駐車場の隣に建っているおうちです。200円で入れます。
中もワンルームで本当におばあちゃんの家という感じ。
狭い資料館ですが、鍾乳洞発見の歴史が壁沿いにボードにまとめられており、鍾乳石がゴロゴロと置かれています。
中で受付をしてくれたおばあちゃんと話し込んでいたからか、見返したら写真は一枚もありませんでした。

受付のおばあちゃんが熱心に説明してくれるもので、つい聞いてしまったんですけど、びっくりしたので覚えている限りで書き記します。
記憶を頼りに書いているので正確じゃないかもしれません。また口調など含め意訳です。

「簡単にこの鍾乳洞の歴史を説明しますと、昔砕石場がここにあって、そこで働く山師が砕石のために発破したのをきっかけに見つかったんです。見つかった時には危ないからって用心しながら山師たちみんなで入っていったんですわ。でも途中で明かりが切れそうになって戻っていってね、またいつかみんなで来ようって言ってたんですけども、そのうちにすごい洞窟があるらしいっていろんな人が来るようになって、鍾乳石もどんどん取られていっちゃったんです。
そんな状態だったから、山師たちがみんなでこの洞窟はいったん閉じようかってなってね。またいつか開けるときが来たらみんなで見に行こうなって話して閉鎖したんです。でも鍾乳洞をもう一度開くことはないまま時がたって、あるときねこの山師のリーダーのひとがね、この娘に、あそこに見える場所をよく覚えておくんだぞって言うんです。いつかその日が来たらあそこを掘るんだぞって。でもそんな機会もないまま私もお嫁に行って年も取ったある日ふとその鍾乳洞の話を見たんですね。そしたら父から聞いてた話とまるで違って、危ないから閉鎖されたことになってる。こんな間違った話が広まったら本当にもう鍾乳洞が開かれることはなくなっちゃう。そう思って父から聞いた話を伝えようって思ったんです。それから地域の方の賛同もあって再発掘することになったんですよ。」

なんとこのおばあちゃんが鍾乳洞を再び開くきっかけとなった吉村さんその人でした。
全部本人が語ってくれたのを聞けたことになりまして、なんとまあの気持ちでした。
帰り際お土産にみかんを持たせてくれました。是非長生きしてほしいものです…

終わりに

鍾乳洞とともに本人登場での説明も聞かせてもらえてなんだか素敵な訪問でした。
なかなか毎回ご説明いただけるわけでもないと思いますが、人の少ない日には是非。
また資料館では鍾乳石を買うこともできます。お値段はご自身で決めてくださいとのこと…、興味のある方は是非…
この後白崎海岸も見てきたのですが、吉村さん曰く戸津井から白崎まではつながっているとのこと。
白崎も真っ白い石灰岩で採掘跡が残っている場所で、両方訪れると地質のつながりを感じて面白いです。

白崎海岸。天気悪かったけど雨でぬれて石灰のにおいがした。

本日は以上です。

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