国内46都道府県の旅をしています。
この記事はその旅の記録ですが、どなたかの参考になると幸いです。
2024年6月7日に徳島県牟岐町にある正観寺で八大地獄を拝見してきたのでご報告します。
この八大地獄内は撮影禁止だったため写真は一切ありません。
入館!
お寺の事務所にて入館料を払います。
別の要件で来ていた団体さんとエンカウントしてしまったことでしばらく住職に「地獄のお客さん」と呼ばれてちょっと面白い気持ちになるなど。
住職に八大地獄の入り口まで案内され準備するのを待っていると、シャッターの奥から女の悲鳴が聞こえてきます。ひえ…。
その後入り口に掲示してある説明版のところで住職から小乗・大乗仏教の話をお聞きします。
そうしましたらいざ入堂…。
洞穴のような入り口をくぐるとそこには奪衣婆と着物をはぎ取られた女たちの人形と閻魔様の人形が入堂者を取り囲むように恐ろしい顔でたたずんでいます。
閻魔様ってあんな怖い顔してるけど地蔵菩薩の化身なんですね…。
ここでも住職に仏教における輪廻転生と六道、その中での地獄の位置づけ、人間の善悪についてなどを説明してもらいます。
人間生きているだけで悪行を重ね続けているから善行をしないと悪行が勝ってしまうんですよ…など。
この部屋で住職のお話をお聞きしている最中も地獄に落ちていくものの悲鳴と、奥からギイギイと何かがきしむ音が絶え間なく聞こえてきます。
一通りお話を聞き終えると住職から「この先はお一人で進んでいただくことになっています」と。
「ずっと進んでいくと裏手にある出口にたどり着きますのでそのままお帰りになって結構です」「何かありましたら叫んでください」といわれそのまま住職は入口へと戻っていかれます。
すでに怖い!!!!
こちらにも一人で来たのですが、私は結構強度の怖がりです。
恐る恐る三途の川にかけられた橋を渡ります。
私は善人じゃないと思うので橋から引きずり落されないかしら…、と思いながらわたります。
川辺をのぞくと恐らく賽の河原してる子供がいました。
ここからしばらく大きいジオラマの地獄が続きます。
大体獄卒たちが私より少し大きいくらい、責め苦を受ける人間が私の膝くらいの大きさです。
刺されたりすりつぶされたり煮られたり切断されたりしている血まみれの人間たちと殺さんとばかりににらみつけてくる獄卒たちがいる狭い洞窟のような部屋をそろりと歩きます。
さっきから聞こえているギイギイという音は獄卒が挽石で人間を挽きつぶしたりのこぎりを挽いたりなどの機械仕掛けから出る音でした。
ともすれば走り出しちゃいそうなので、こう、感情が動かないように必要以上にのろのろと動きます。
このあたりのゾーンは一部屋一部屋で色々な責め苦を受ける人間たちがいたので、もしかしたらそれぞれ八大地獄を表していたのかもしれませんが、説明版がすべてについていなかったのと数を数える余裕はなかったため、実際に地獄が8つあったかどうかわかりません。
ジオラマが片面だけにあって後ろが壁のところはまだなんとか正気を保てるんですけど、両側にジオラマがあるゾーン(しかもここには説明版がある、説明版は読んじゃう派)は本当に気が気じゃない。獄卒たちに背向けるの怖すぎ…。
獄卒や獣たちも怖いんですけど、人間たちも普通に怖くて…。
人間たち、死人だからか血の気がないからか顔が青いんだけども、その青い顔を苦痛に歪めつ、ベッタベタに血濡れて逃げまどったり死んだりしていっているのです。
洞窟の通路も血がついてるしね…。
さてそろそろと進んで最後の地獄らしきところにたどり着いたので出口かなと思いきや、また六道の説明が今度はボードで書かれています(さっき聞いたのは住職の口頭)。
その先にはまた地獄が見えていて、私はひええ…となりました。
ここまで距離的にはそう長くなかったのですが、心的にはもう出口でいいくらいです!!!
地獄終わったかなと思ったらまた再度地獄の入り口に戻されるの心折れません…???
後半の地獄もまた六道の説明から入り三途の川を渡ります。
前半の地獄は等身大(人間が小さかったから本当は縮小されてる)でしたが、後半の地獄は小さい人形のジオラマで、目線に合わせた高さに地獄のケースが通路に沿って並べられています。
通路は一貫して洞窟のような場所です。
引き続きじわじわと歩を進めていきますが、今度は各地獄にも説明のボードがついているので読みながら歩いていきます。
説明を読みながらなので必然的に前半の地獄よりもここのほうが滞在時間が長くなります。
小さくなったから怖さが軽減されるかといったらそんなことはまったくなく、通路が先ほどよりもちょっと狭く曲がりくねっているので前後の見通しが悪くて不安感が増します。キイキイ音も継続で聞こえます。
怖い!!!!
この悪事を行うとこの地獄に落とされますよって説明が各地獄に書かれているんですが、一番最初に住職に人間生きてればすべての悪事を日常的に犯しますので、って説明をされてますのですべての地獄に行きうるんだな…など思いながら地獄をのぞき歩きました。
奈落に落ちるまで2000年かかるっていうのがめちゃめちゃ怖いよな…
そんなこんなでじりじりと進んでいきやっとこさ出口にたどり着きました。
洞窟を抜けた明るい場所で仏様(だったと思う…)が迎えてくれたのですがそれも何となく怖く見える程度には心臓が縮みました。
出口には地獄のポストカードがご自由にどうぞで置いてあったので、一枚いただいてきました。
おわりに
正観寺は華厳宗総本山奈良東大寺の末寺にあたるお寺だそうです。
地獄は住職が若いころだか子供の頃だかにつくられたもので、子供の時に地獄を見た方が大人になって自分の子供を連れてくる、ということも多いんだとか。
一人だと怖いですよね~、と。
地獄、半地下のようになっており全貌が実際に見えるわけではないのですが、入り口と出口の位置を考えると結構広い空間があったようです。
力の入り方がすごい…
繰り返し二回も地獄見せられるのが一番地獄だったなと思います。
人におススメしたいかどうかはちょっといかんとも言い難いのですが、お寺はのどかでいい雰囲気の場所だし住職も気さくでいろんなことを教えてくださいました。
興味のある方は是非。
本日は以上です。
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